2024年度も継続!脱炭素に向けた補助金を紹介

2024年度も継続!脱炭素に向けた補助金を紹介

脱炭素に向けた補助金は継続中です

改正フロン排出抑制法に対応した冷媒を
環境省の概算要求は「2030年ターゲット達成」に集中的に取り組む基本方針に取り組むことが明らかにされています。
これは2021年4月に、当時の菅総理大臣が「2030年度までに温室効果ガスを46%削減する」と宣言した背景があります。また、環境省では「温室効果ガス46%削減」以外にも「陸・海の保護区域等30%確保」「脱炭素インフラ輸出に1兆円」など温暖化問題や「サーキュラーエコノミービジネス」と言われる大量生産・大量廃棄の問題の解決に対して積極的に取り組む姿勢を見せています。

代表的な補助金を紹介

代表的な補助金を紹介

2024年度の脱炭素化事業補助金において、代表的なものの名称・対象団体・概要・締め切りをいくつかご紹介します。

名称 工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)
対象団体 民間事業者・団体など
対象設備 設備更新支援
概要 工場・事業場の設備更新、電化・燃料転換、運用改善による脱炭素化に向けた取組みの支援
補助金額 ①CO2削減計画策定支援 (補助率: 3/4、補助上限: 100万円)
※DX型計画は、補助上限200万円
②省CO2型設備更新支援:
A.標準事業 (補助率: 1/3、補助上限: 1億円)
B.大規模電化・燃料転換事業 (補助率: 1/3、補助上限: 5億円)
ⅰ)電化・燃料転換 ⅱ)CO2排出量を4,000t-CO2/年以上削減
ⅲ)CO2排出量を30%以上削減
C.中小企業事業 (補助上限: 0.5億円)
ⅰ)年間CO2削減量×法定耐用年数×7,700円/t-CO2(円)
ⅱ)補助対象経費の1/2(円)
③企業間連携先進モデル支援 (補助率: 1/3、1/2、補助上限: 5億円)
名称 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵機器の脱フロン・脱炭素化推進事業
対象団体 民間事業者・団体、地方公共団体等
対象設備 食品製造ラインのフリーザーや中央方式冷凍冷蔵機器、冷凍冷蔵ショーケースなどの脱炭素型自然冷媒機器
概要 コールドチェーンを支える冷凍冷蔵倉庫、食品製造工場、食品小売店舗を営む中小企業等の脱炭素型自然冷媒機器の導入費用に対して補助を行う。
補助金額 間接補助事業:補助率 原則1/3
※再エネ設備等の導入費用は補助対象外
実施期間 令和5年度~令和9年度
名称 民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業
対象団体 民間事業者・団体など
対象設備 太陽光発電設備、運転制御設備、蓄電池、データセンター、公共施設設備制御など
全体概要 (1)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業
(2)新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業
(3)再エネ主力化に向けた需要側の運転制御設備等導入促進事業
(4)離島における再エネ主力化に向けた運転制御設備導入構築事業
(5)平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル 創出事業
(6)データセンターのゼロエミッション化・レジリエンス強化促進事業
(7)公共施設の設備制御による地域内再エネ活用モデル構築事業
(1)詳細 概要:初期費用ゼロでの自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池の導入支援等を通じて、太陽光発電設備・蓄電池の価格低減 を促進しながらストレージパリティを達成し、我が国の再エネの最大限導入と防災性強化を図る。
補助:業務用施設・産業用施設・集合住宅・戸建住宅への自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池(車載型蓄電池を含む)の導入支援
※蓄電池(V2H充放電設備含む)導入は必須
※太陽光発電の発電電力を系統に逆潮流しないものに限る(戸建住宅は除く)
補助額:
・太陽光発電設備:定額
・蓄電池:定額(上限:補助対象経費の1/3)
・EV等(外部給電可能なものに限る)をV2H充放電設備とセットで購入する場合に限り、蓄電容量の1/2×4万円/kWh補助(上限あり)
募集期間:令和3年度~令和7年度
(2)詳細 概要: 地域の再エネポテンシャルを有効活用するため、地域との共生を前提とした上で、新たな手法による太陽光発電の導入・価格低減を推進する。
補助金額:
①建物における太陽光発電の新たな設置手法活用事業(補助率1/3)
②地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業(補助率1/2)
③窓、壁等と一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業(補助率3/5、1/2)
④オフサイトからの自営線による再エネ調達促進事業(補助率1/2)
⑤再エネ熱利用・発電等の価格低減促進事業(補助率3/4、1/3、1/2)
⑥熱分野・寒冷地での脱炭素化先行モデル創出事業(補助率3/4、2/3
⑦新たな再エネ導入手法の価格低減促進調査検討事業(委託)
募集期間:
①⑤⑦ 令和3年度~令和7年度
② 令和4年度〜令和7年度
③ 令和6年度〜令和7年度
④ 令和4年度〜令和6年度 
⑥ 令和5年度~令和7年度
(3)詳細 概要:変動性再エネ(太陽光・風力)の普及拡大に必要となるデマンド・サイド・フレキシビリティ(需要側需給調整力) の創出に向け、オフサイトから運転制御が可能であり、平時のエネマネや省CO2化を行う需要側設備等の導入支援を 行う。再エネの出力抑制の低減のため、オフサイトから運転制御可能な発電側の設備・システム等の導入支援を行う。
また、通信ネットワーク化し、遠隔調光等が可能なスマート街路灯等の導入支援等を行う。
補助金額:
①オフサイトから運転制御可能な需要家側の設備・システム等導入支援事業:1/2
②再エネの出力抑制低減に資するオフサイトから運転制御可能な発電側の設備・システム等導入支援事業:1/3(離島は1/2)
③屋外照明のスマート化・ゼロエミッション化モデル事業:3/4、1/3、1/4
募集期間:
①② 令和2年度~令和6年度
③令和5年度~令和7年度
(4)詳細 概要:離島において、太陽光発電をはじめとした再エネ設備や需要側設備の群単位の管理・制御技術を社会実装しながら、 離島全体での再エネ自給率の向上を図る。
離島をはじめとしたエネルギーの地産地消を目指す地域において、高い導入ポテンシャルを有する浮体式洋上風力発 電の導入に向けた支援や社会的な受容性を高めるための必要となる技術・ビジネスモデルについての実証事業を行い、 理解醸成を高め、社会実装を促進し、再エネ自給率の向上を図る。
補助金額:
①運転制御設備導入支援事業:3/4(上限1,000万円)、設備等導入:2/3
再エネ設備、オフサイトから運転制御可能な需要側設備、蓄電システム、蓄熱槽、充放電設備または充電設備、車載型蓄電池、EMS、通信・遠隔制御機器、同期発電設備、自営線、熱導管等の設備等導入支援
②浮体式洋上風力導入促進事業
(ア)エネルギーの地産地消を目指す地域における計画策定事業(補助率:3/4)
(イ)漁業関係者等の理解醸成に資する海洋生態系観測システム実証事業(委託)
募集期間:
①令和3年度~令和7年度
①令和6年度~令和7年度
(5)詳細 概要:省CO2と災害時の電力確保が可能な新手法による建物間電力融通モデル創出事業。直流給電システムやTPOモデルを活用して、平時の省CO2と災害時の避難施設を両立する。
補助金額:
直流給電システムを活用した建物間融通モデル創出事業:
・計画策定:3/4(上限1,000万円)
・設備等導入:1/2
TPOモデルによる建物間融通モデル創出事業:
・計画策定:3/4(上限1,000万円)
・設備等導入:1/2、2/3
募集期間:
直流給電システムを活用した建物間融通モデル創出事業:令和2年度~令和6年度
TPOモデルによる建物間融通モデル創出事業:令和5年度~令和7年度
(5)詳細 概要:民間企業等による直流給電システム、TPOモデル(第三者保有モデル)を活用した平時の省CO2と災害時避難施設を両立する建物間での電力融通モデル 創出を支援する。
補助金額:
①直流による建物間融通モデル創出事業(計画策定3/4(上限1,000円、設備導入2/3、1/2)
②TOPモデルによる建物間融通モデル創出事業(計画策定3/4(上限1,000円、設備導入1/2、2/3)

対象者:民間事業者・団体等
募集期間:
①令和3年度~令和7年度
②令和5年度〜令和7年度

(6)詳細 概要:デジタル化の進行により、ICT活用による通信トラフィック及び電力消費量の激増が予見される中、2050年カーボンニュートラルを達成するには、徹底した省エネを行いながら再生可能エネルギーを100%活用するゼロエミッション・データセンターが不可欠となる。
再エネ活用による災害時の継続能力向上等のレジリエンス強化や地方分散立地推進も実施しながら、デジタル社会とグリーン社会の同時実 現を図る。
補助金額:
①地域再エネの活用によるゼロエミッション化を目指すデータセンター構築支援事業(補助率:1、1/2、1/3)
②既存データセンターの再エネ導入等による省CO2改修促進事業(補助率:1、1/2、1/3)
③省CO2型データセンターへのサーバー等移設促進事業(補助率:1、1/2、1/3)
④地域再エネの効率的活用に資するコンテナ・モジュール型データセンター導入促進事業(補助率:1、1/2、1/3)
⑤再エネ活用型データセンターの普及促進方策検討事業(委託)

実施機関:令和3年度~令和7年度

(7)詳細 地域に再生可能エネルギーを導入していくに当たっては、再エネ電力供給事業者における調整力の確保が重要。また、コロナ 後の社会においては、有事の際にも管理を可能とする遠隔管理の必要性が増しているため、公共施設の有する(遠隔)制御可 能な設備の運転方法について実証を行う。
これにより、地域の再エネ電力を有効活用し、公共施設等の再エネ比率を高めるモデルを構築する。
補助金額:
災害等有事の際にも強い地域の総合的なエネルギーマネジ メントの構築に資する、再エネ設備、蓄電池、通信機、エネマネシステム、自営線などの導入を補助(補助率2/3)
補助率:2/3(一部上限あり)
募集期間:令和2年度~令和6年度
※令和6年度は継続事業のみ実施し、新規募集はしない。

補助金の申請手続き方法は複雑!

代表的な補助金を紹介

補助金制度の申請手続きを進める時は、関連する機器の契約書や、電力需給に関する書類などの提出が必要です。必要な書類の提出は補助金の種類や申請先によって異なりますが、一般的に太陽光発電の販売店や施工業者で代行が可能です。太陽光発電関連の補助金制度で主に必要な書類は、以下のとおりです。

  • 電力需給契約が確認できる書類の写し
  • 検針票など設備状況を示す書類
  • 対象機器の設置工事契約書の写し又は購入契約書の写し
  • 補助金対象機器の費用を示す書類(領収書・内訳明細書など)
  • 対象機器の設置写真(建物全体及び機器の写真)など
  • 機器設置場所の案内図

補助金制度によっては、先に太陽光発電などの設備を設置したあとに申請を行うタイプと設置前に申請可能なタイプがあります。各補助金の予算には限りがあるため、補助金を利用した太陽光発電システムの導入を検討している方は早めの準備がおすすめです。補助金によっては、受付期間内であっても予算に達した時点で終了してしまう場合があります。また太陽光発電の業者と契約できても、電気関連の手続きや資材の輸送で日程が後ろ倒しになってしまうこともあります。最悪の場合、補助金の申請に必要な書類が揃わず期間に間に合わなくなってしまうケースも。導入を検討する場合は、早めに動くことをおすすめします。まずは販売店や施工業者へ補助金制度の申請代行も対応しているか、相談してみるのが大切です。