CFC冷媒フロンの普及と規制
1928年、アメリカで家庭用冷蔵庫の冷媒としてCFC冷媒フロン(R-11, R-12)が発明されたことで、人類の生活は大きく変わりました。日本では戦後1950年代の高度経済成長期に「三種の神器」として一般家庭にも冷蔵庫が普及し、それから現在まで生活に欠かせない家電製品として日々使われています。
しかし、1970年代にオゾン層破壊が深刻化。業務用冷凍庫などにも使用されていた、CFC冷媒フロンを含むフロン類はその原因物質であることが判明しました。
国際的な協議の結果、1987年に採択された「モントリオール議定書」にてCFCの廃止が盛り込まれました。先進国や発展途上国を含め198カ国もの加盟国の努力でCFCの規制に対する取り組みが行われ、1990年代後半にはオゾン層の回復が確認されました。
冷媒と規制に関する年表
- 1830年代:
- ジエチルエーテルを冷媒として使った初の冷凍機械開発(ジェイコブ・パーキンス)
- 1876年:
- アンモニアを冷媒とした最初の冷凍サイクル発明(カール・フォン・リンデ)
- 1928年:
- CFC冷媒フロン(R-11, R-12)発明(トーマス・ミッドゲリー)
- 1930年代:
- CFC冷媒が一般的に使用され始める
- 1970年代:
- オゾン層破壊問題が発覚
- 1985年:
- オゾン層の保護のためのウィーン条約採択
- 1987年:
- モントリオール議定書採択、特定フロンなどの製造、消費の世界的な廃止
- 1990年代:
- R-134a, R-410Aが登場し普及
- 1997年:
- 京都議定書採択、6種類の温室効果ガス総排出量の削減
- 2020年:
- 先進国でのHCFCの全廃期限
地球に優しい自然冷媒への移行が
進む現代
オゾン層の破壊を引き起こしたCFC(クロロフルオロカーボン)が規制され、オゾン層の回復が進んでいます。しかし、今度は地球温暖化の原因となる温室効果ガスの問題が注目され始めました。
CFC冷媒フロンの代わりとして開発されたHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)やHFC(ハイドロフルオロカーボン)も、温室効果ガスとして環境への悪影響が指摘されています。
そこで、自然界にもともと存在するアンモニア、二酸化炭素、水、炭化水素、窒素などの自然冷媒の研究や普及が求められるようになりました。これらの自然冷媒は、地球に悪影響を及ぼす温室効果ガスの排出を抑制することができます。
1997年に採択された「京都議定書」では、自然冷媒の利用促進が推奨されており、これによりCO2排出量の削減が期待されています。今後も自然冷媒の研究や技術開発が進められることで、地球環境の保護に大きく寄与することが期待されています。
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